中国ブロックチェーン情報

中国の優れた仮想通貨・ブロックチェーン業界の関連記事を紹介します!

ニュートン創始者:何故ブロックチェーンは必ずEコマースを取って代わるのか①

※この記事は、ニュートンプロジェクト(オフィシャルサイト)の連合創業者徐継哲(Xu Jizhe)の講演やインタビューをまとめた中国語の記事を基にしています。徐氏がこの記事で示したブロックチェーン産業の未来やトークンエコノミーに関する見解は非常に興味深く、一読の価値はあるのではないかと思い、この記事を翻訳しました(省略あり)。本来の記事が長いため、3回に分けてご紹介します。

 

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徐継哲

 

従来のECの問題点

私(徐)は4年以上にわたってEC(Eコマース)に従事してきており、もう一人の連合創業者は18年間もECに携わってきました。なので我々はこの業界を深く理解しており、EC業界が必要とする技術サポートを抽出することができます。

ECの特徴は無料です。ユーザーは無料でECアプリを使うことができます。しかしながら、実際にユーザーが無料アプリを享受している代わりに対価を払っています。

それは、ユーザーが少しの利便性を得るために、自分のプライバシーとデータを犠牲にしました。これはECビジネスモデルの本質です。

最初は、アプリには何のデータもありませんが、ユーザーによる閲覧、クリック、ショッピングなどの行為が記録されていくと、いわゆるビッグデータになります。EC会社はこのビッグデータを売って利益を得ることができます。

しかしながら、このデータはいったい誰のもというべきのでしょう。データはユーザーからのものであるため、当然のことながら一人ひとりのユーザーに帰属すべきです。データは、一人ひとりのユーザーがインターネットプラットフォームにおけるすべての活動によって生成されたのです。

現時点では、Eコマースプラットフォームはユーザーに代わってデータによってもたらされた利益を享受している、という奇妙なビジネスモデルになっています。さらに奇妙なのは、我々はこのビジネスモデルにすっかり慣れているので、何もおかしいと思っていないのです。

データは21世紀の原油であり、ユーザーはデータから生じる利益を受ける権利があります。ブロックチェーン技術こそ、この奇妙なビジネスモデルを正し、ユーザーに属するデータから生まれた利益を、ユーザーに返還することを可能にします。 

なぜブロックチェーンECが必要なのか?

ECプラットフォームのルールは、このプラットフォームを管理する者によって決められます。

ニュートンプロトコルエコノミーのインフラとして、「ハイパーエクスチェンジプロトコル」を構築し、それに基づいて誰もが決済、オンラインショッピングモール、保険などのDAPPアプリケーションを開発することができます。

要するに誰もがタオバオやTmallのようなECプラットフォームや、アリペイのような独自の決済ツールを開発することができます。

開発したくない場合は、ニュートンが提供するNewPayという決済機能とNewMallという分散型のECプラットフォーム機能のモデルを使っていただけます。

ニュートンプロトコルによって確立されたすべてのプラットフォームは、従来の中央集中型プラットフォームと同様に取引手数料を徴収したり、トランザクションコストを増加させたりすることをせず、逆にトランザクションコストを利益に変換し、それを参加者に返還することによって、より多くの人々が利益を得ることができます。

 ブロックチェーンが可能にした新しいビジネス形態

従来のEコマースプラットフォームは、株式会社によって中央集権的に運営されています。株式会社という制度は、何百年前の産業革命の中で誕生・発展してきた組織形態であり、その目的は事業を通して営利し、その利益を株主に配当することにあります。

ところが、営利を目的にしている以上、株式会社は絶えずに利益を生み出さなければならず、そのために市場シェアを拡大し続け、最終的に市場を独占する企業だけが生き残ります。こうなっていく中、会社の内部と外部の世界の間に大きな「壁」が築かれて、内・外の協力関係を築くことがどんどん難しくなっていきます。

また、会社の利益はどうしても消費者から絞り出すことになるので、会社とその顧客である消費者は、対立的な関係になることは避けられません。従来のEコマースプラットフォームの運営会社とその利用者である消費者の間では、win-win関係を構築しようとしてもなかなかできません。

これらの問題について、ブロックチェーン技術による事業への応用および従来と違ったニュートン独自のビジネスモデルで初めて解決策が見いだせることとなります。

ブロックチェーン技術によって、この問題を解決するためのソリューションを提供してくれます。将来は、非営利団体によって管理されるコミュニティエコノミーが、営利性の株式会社によって管理されているプラットフォームに取って代わられると予想しています。

このような組織形態の変革と、それによってプラットフォームとその利用者、消費者間のwin-win関係が可能になるという予想こそ、ニュートンプロジェクトが基づく基本的な理論です。

このブログの目的について

このサイトは、ブロックチェーン産業や仮想通貨に関する中国語の記事の中で、特に優れたものを厳選し、日本語に翻訳して日本の皆様にご紹介することを目的にしています。

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何故中国なのか?仮想通貨の取引が禁止されているのに、中国から学ぶものはあるのか?と疑問に思うことがあるかもしれません。

しかし、日本は先進国でありながらインターネット産業に関しては中国より大幅に遅れているのはすでに周知の事実です。その延長線で、新しい技術に非常に熱心な中国では、仮想通貨の取引自体は表面上禁止されているものの、その根底にあるブロックチェーン技術やその産業、仮想通貨(トークン)によって形成された新しいビジネス形態(トークンエコノミー)など、これからの世界のあり方を変えていく本質的なことに関しては日本より遥かに注目されています。

日本では仮想通貨に関して投資対象としての側面だけ注目されがちですが、ブロックチェーントークンエコノミーなどの側面がまだ十分に注目されていないように見受けられます。一方、中国の人々は、仮想通貨に投資するにとどまらず※、ブロックチェーンそのものに着目し、それを活用して社会のあり方を大きな変革をもたらそうと躍起しています。

※公式的に禁止されたとはいえ、海外の仮想通貨取引所で取引することは可能なので、仮想通貨に投資している人はまだ大勢います。

そこで中国ではブロックチェーントークンについて深く研究・検討している人が非常に多く、その成果はネット上に溢れています。それを日本に紹介できないかと思い、このブログを開設しました。

要するに「仮想通貨は投資対象だけではない!」「仮想通貨だけを注目するともっと重要なことを見逃してしまうのだ!」ということをお伝えすることは、このブログを開設した最大の動機です。